よくある質問

  • HOME
  • よくある質問

よくある質問

Q&A

Q1.設備と建築の関係について分かり易く説明してください。

建物を人間の体に例えると、大きく分けて次の3つで構成されていると言えます。
意匠・・・容姿
構造・・・骨格
設備・・・頭脳、循環・消化器、神経、血管など。
人間も若い時、元気な時には、成人病など気にもかけません。検診や予防にかけるお金は、服装やファッションにまわします。しかし、年とともに変わってきます。建物も同じです。設備がストップすれば建物の機能は停止します。検診して必要あれば改善して、リフレッシュすることが重要です。

Q2.建築設備はどのような設備なのですか?

最近ライフサイクルコスト(LCC)が重要視されるようになりました。LCCとは企画設計から建設費・廃棄処分費までを含めた建物の生涯に必要な全費用のことです。一般的には建設費の低減に関心が向かいますが、建設費を1とするとライフサイクルコストは約4~5倍を占めると言われております。このように運用管理面の費用は非常に大きく、省エネルギー、省力化に優れた設備の企画設計は重要です。我々は技術を用いてLCCの低減に貢献します。

Q3.設備のリニューアル(更新)は、最新の機械に取り替えるだけですか?

建物の寿命(約50~60年)に比べて、設備のライフは約15~20年と短く設備費は1回~3回のリニューアル(更新・改修)が必要となります。しかし古くなったから新品に交換するという方法は適正ではありません。まず劣化診断を実施し、その結果を総合的に判断してその建物に一番あったシステムを設計するのが正解です。

Q4.空調と冷暖房の違いについて教えてください。

空調とは目的とする空間内の空気の温度、湿度、気流、清浄度をその目的にあった条件に調整し、これを室内に均一に分布させることと定義されております。空調の4要素と呼ばれています。
単に冷暖房と言えば温度、湿度(温度のみの場合もあります。)の2要素で気流、清浄度は除かれています。もっと分かり易く言うと冷暖房には換気設備は含まれておりません。

Q5.空調計画上のチェックポイント(留意点)は?

大きく分けて2点あります。まず1点目は建物の用途、つまり住宅か事務所、あるいはホテルか工場かなどによって違ってきます。例えば、工場であれば労働環境の向上を目的とするのか、製品を中心にするのかを明確にする必要があります。ホテルであれば音や振動、オフシーズン対策への配慮が特に重要となってきます。
次に建築主のニーズつまりイニシャルコスト、ランニングコスト、メンテナンスコスト、省エネルギー、快適、安全性、信頼性、利便性、無公害性、フレキシビリティーなどの項目でどの要求にポイントをおくのか把握する必要があります。ウエイトの高いものを整理して計画を行うことが重要となります。親戚がガソリンスタンドを経営しているといった何気ない情報もひとつの要素となります。

Q6.床暖房の種類がいろいろありますが、何が一番よろしいですか?

床暖房は大きく分けて温水方式、温風方式、電気方式と3方式に分類されます。電気方式はパネル式のような非蓄熱式とコンクリート床などに電気ヒーターを埋設して安価な夜間電力を用いる蓄熱式に分かれます。何が良いかのご質問ですが、建物の規模、用途、使用時間などによって検討する必要があり、一概には言えません。

Q7.床暖房方式は体に優しいと聞きましたが本当ですか?

エアコンのようにファンによって空気を混ぜたりしませんので埃が舞い上がらず室内はクリーンです。よって体に優しいというのは理にかなっています。その他室内に火気がないため赤ちゃんや小児に安全といった特徴も大きいと思います。

Q8.床暖房の床表面温度の目標値は?

25℃~31℃が推奨範囲ですが私は27℃~29℃を目標値としています。余り高くすると赤ちゃんや小さな子どもさん、お年寄りには低温やけどの心配があります。また床表面温度マイナス室温は10℃を超えないようにとの指標があります。床暖房方式の室温は18℃程度で十分ですので、これから判断すると表面温度は28℃となります。

Q9.蓄熱床暖房の特徴(長所、短所)と貴社ビルがこの方式を採用した理由を教えてください。

鉄骨や鉄筋の建物は床にコンクリートを打設します。一般的に12cm~15cm(マンションなど下階への振動、音を防止するためには20cm以上)を打設しますが、当社はまず12cmのコンクリートを打設し、ある程度乾いてから電熱ヒーターを布設し、その上に10cmのコンクリートを打設しています。つまりヒーターをコンクリートでサンドイッチにしています。安価な夜間電力を利用して、コンクリート床全体を暖める方式です。
長所は朝出勤してきた時が一番暖かいということです。早く事務所に着きたい気持ちにさせます。
短所はこれといってはないのですが朝が一番暖かいということは夕方にかけて徐々に床温は低下してきます。その場合はエアコンの補助暖房ということになりますが、年に1~2回あるかどうかです。逆に真冬でもポカポカ陽気の日があります。その時は窓を少し開けて、外気を入れなければ暖かすぎるということがあります。短所と言えばその程度です。
当社がこの方式を採用した理由ですが、いくつかあります。設備設計事務所として皆様に推薦するのにまず我社に採用してみるというのは当然のことです。一番(?)大きな理由は竣工当時10人の職員がおりました。真冬は鉄骨、鉄筋の建物は夜の間にものすごく冷やされます。出勤してからエアコンを入れて暖まるまでに30分程度は必要です。その間、無意識に今日は寒いな、寒いなと感じていると仕事になりません。10人の人間が30分本調子にならないということは1人が半日仕事にならなかったということになります。その人件費に比べれば電気代なんて安いものだと考えて採用しました。方式を決める場合、イニシャルコスト、ランニングコストを表形式にして比較表を作成することはもちろん大切なことです。しかし、それだけでは事務的な判断にすぎません。住環境の向上も考えてもっとトータルに考えることがエンジニアの本質だと思っています。

Q10.蓄熱空調の特徴とメリット・デメリットについて教えてください。

我が国のエネルギー安定供給確保は重要な課題であるというのは申し上げるまでもありません。毎年のように電力需要は増加しておりますが、次々に発電所を建設することが許される環境にはありません。蓄熱は電力負荷平準化を目的としたものであります。夜間電力負荷を増加させ、昼間の電力負荷を低減させることによって平準化に寄与しております。ユーザーにとってのメリットは安価な夜間電力を使用することによってランニングコストの低減になります。水蓄熱・氷蓄熱などがあります。
デメリットというか注意点です。蓄熱空調は夜間電力を利用することから深夜の時間帯に熱源機が運転しています。近隣に対して騒音が影響しないか設計の計画段階で十分に検討しておく必要があります。竣工後、近隣からの苦情で防音壁を追加するようなことになれば、金銭的な負担も大きく建物の意匠が変わってしまう可能性があります。その点に注意しておけば他に問題はないと考えています。

Q11.温水プールや温浴施設に蓄熱システムは採用できますか。

採用できます。一般的にこれらの施設の熱源はボイラーです。25mの温水プールを例にしますと水量は約300m3です。夜間に3℃~4℃冷えます。900,000~1,200,000kcalの熱量が奪われたことになります。営業時間1時間前に1,000,000kcal/Hのボイラーをフル稼働して所定の水温に上げる準備が必要となってきます。冷えた物体を加熱して温めるというのは誰しもが考える一般的な方法です。異なった視点から考えてみますと冷やさない方法を採用するのも考えてみたいと思います。夜間に低下する分、冷やさないシステムは夜間電力利用を8時間としますと1,000,000kcal/Hのボイラーが1/8の125,000kcal/Hの熱源を8時間運転するのと同じことになります。熱源機はこの場合ボイラーでなく空冷ヒーポンチラーとなります。この方法がベストとは一概には言い切れませんが検討には値する方式です。私もこの方式は5例ほど採用実績がありうまく稼動しているようです。

Q12.KHP、GHPはどのような建物に採用するのですか?

KHPとは灯油エンジンヒートポンプエアコンのことです。GHPとはガスエンジンヒートポンプエアコンです。Gはガスと理解しがちですがKはケロシン(灯油)の略称です。参考までに一般的に電気のエアコンはEHPと呼称されています。
どのような建物に採用するかのご質問ですが、非常に難しい解答になりそうです。各種熱源、各種方式の中でどれが一番良いかは建物規模、用途で十分な聞き取りをして比較検討を要するのと、どの方式のメーカーさんも一流企業ばかりで我社がベストとPRしていますのでこの建物にKHPが適しているとはなかなか言えません。
ただ私の採用実績から申しますとある計画で500m2の建物があったとしましょう。電気の契約電力が50KWを超えると原則受変電設備の設置が必要となってきます。受変電設備とはキュービクルと呼ばれている箱体の中にトランスなどを収容しているもので、狭い敷地では一般的に屋上なんかに設置されています。これのイニシャルコストが数百萬円必要となる(建築費圧迫)のと使っても使わなくても必要となる基本電力料金がクライアントにとっては頭の痛い問題となってきます。KHPやGHPは灯油かガスを燃料としているため消費電力は1/10程度となります。

KHPやGHPを採用してもキュービクルが必要となる建物は一般的にはEHPが採用されていますが、EHPであればキュービクルが必要、KHP、GHPにすればキュービクルが不要(低圧供給)となるような建物には十分検討に値するものです。その場合、灯油の燃料タンク、プロパンガスの場合ボンベをどこに設置するのか、スペースはあるのかも検討しておく必要があります。

Q13.ヒートポンプ方式が今ひとつ分かりにくいです。分かり易く教えて欲しいのですが?

まず貴殿が技術者か一般ユーザーか分かりませんので2通りの説明をします。
学問的に説明しますとこのような文章になります。
1.熱は水が高所から低所に流れるように、熱は暖かい場所から冷たい場所へと伝わってきます。この逆の理論と考えてください。ヒートポンプとは熱を作り出すものではなく、温度の低いところの熱量を高いところに汲み上げる働きをするもの。つまり低い水を高い水位まで汲み上げるポンプに似ていることからヒート(熱)ポンプと呼ばれています。
2.一般に液体が気化すると周囲の熱を奪い冷却し、逆に気体が凝縮して液化する時、熱を発生する性質があります。この性質を利用して冷媒をコンプレッサーで循環し機械的に気化と液体を繰り返すことによって冷暖房を行っています。
3.仕組みは圧縮機(コンプレッサー)凝縮器、絞り装置(膨張弁など)蒸発器の4つの主要機器によって構成されています。冷房サイクルを説明しますと、冷媒は室内機(蒸発器)で室内から熱を吸収し蒸発することにより室内を冷却し、室外機(凝縮器)で室外の空気と熱交換し放熱します。冷房時室外機からの吹き出される空気は熱風になっています。次に暖房は冷媒の流れを逆にして室外機(蒸発器)で室外の空気から熱を吸熱し、室内機(凝縮器)で室内空気に熱を加えて暖房します。この時、室外機から吹き出される空気は外気より冷たい空気になっているはずです。冷媒の流れを変える装置として四方弁を用いています。
次に一般のユーザーに分かり易く説明するとこのような説明文になります。
1.注射をする時、腕にアルコールを付けて消毒しますが、この時ひんやりします。アルコールが蒸発する時に皮膚から熱を奪うからです。ヒートポンプはこの性質を利用してアルコールの替わりにフロンを用いているのです。庭に打ち水をすると涼しくなるのと同じ原理ですが、水よりアルコールがはるかに蒸発しますよね。

2.暖房の原理は沸騰したやかんの蒸気に手を近づけると暖かく感じます。これは高温の蒸気(気体)が低温の手に触れて、気体が液体に変わる時に手に熱を放出したためです。ヒートポンプはこの性質を利用しているのです。

Q14.COPって何ですか?エコキュートの特徴も教えてください。

一般的にシーオーピーと呼ばれています。成績係数のことを表します。入出力エネルギーの比で示され、消費した電力の熱量で、その何倍の熱量が得られるかを表します。電気ヒーターの場合、1時間で1KWの電力を消費すると、発熱量は860kcalであり、この時のCOPを1.0としております。COPが高いほどエネルギー効率が良いことを示しています。エアコンはヒートポンプ方式ですので、メーカーカタログではCOPが3~4の間で書かれていると思います。
エコキュートの特徴はヒートポンプ方式を応用していますので、COPを3.5とすると1の電気エネルギーで3.5倍の熱エネルギーを得ていることになり非常に高効率なのと安価な夜間電力を使用するためランニングコストを大きく削減できます。一般の電気温水器は夜間電力を使用することは同じですが、ヒーターでの加熱ですからCOPは1.0です。ランニングコストはエコキュートが当然安くなりますが、その分イニシャルコストがまだまだ高価ですから、どちらが有利かは検討する必要はあります。

Q15.築10年のクリニックの待合室です。どうも竣工当時から冷房の効きが悪く、28℃以下に下がりません。
専門業者に見てもらったら、エアコンが床面積にしては小さいとのことです。現在のエアコンの合計が10馬力で5馬力分は追加しなければダメとのことですが、2面が窓ガラスで余分に取り付けるスペースがありません。
このような場合、何か方法はないでしょうか?

専門業者に見てもらったとのことですので、よくある経年劣化による熱交換器(フィン)の汚れとかフィルターの目詰まりなどはないものとして解答します。写真で判断すると東と南の2面に大きな窓がありますのでおそらく9時頃には相当な温度になっていると考えられます。それからエアコンを付けても28℃以下に下がらないということは明らかに能力不足だろうと思いますが、お金をかけて改修するのは後のことにして次の実験をしてみてください。診療時間が終わってもエアコンを切らずに1日中運転し続けてみてください。設定温度は20℃とかに思い切って下げておいてください。夜間は日射負荷がないため現在のエアコンでも相当室温は下げられるだろうと思います。ということは壁、天井、椅子などあらゆるものに蓄冷したことになりますので、その蓄冷分が昼間の冷房負荷にある程度対抗できます。可能な限り蓄冷できるものを多くしてください。カーテンでもカーペットでもすべてのものに蓄冷はできます。それでもダメでしたら、エアコンの追加を考えてもよいと思います。実験してみる価値はあると思いますよ。

Q16.春になると花粉症で悩まされております。
某メーカーのセントラル空調方式が良いと聞きましたが信用できるシステムですか?

おそらく某メーカーとはY社のことだと思います。このシステムは高気密・高断熱の家に適した24時間空調です。空調ですから冷暖房だけでなくきちんとした換気設備も備わっています。きちんとした換気設備とは外気のゴミや埃、花粉までも良質なフィルターでろ過して室内に供給しているため花粉症の人には最適なシステムであるのと、全室空調のため室ごとの温度も一定になりますので冬季のヒートショックもありません。
ただし天気の良い日は窓を全開にして、おもいっきり室を換気したり外気を取り入れたい人には不向きです。365日窓を開けないというのが特徴と言えます。このように花粉症で悩まされている人が、家にいる間は楽になるといったシェルター的な意味合いを持った住居があってもよいと思います。

Q17.屋上の機械室にボイラーを設置していますが、時々止まります。
入口扉にガラリもあり、換気扇も付けているのですが止まります。解消法は?

よくある質問です。おそらく換気扇は排気用が付いていると思います。給気扇に替えてください。ボイラーは燃焼するために空気が必要です。ボイラー運転と連動して給気扇が回転するよう改良してください。空気を押し込む、そしてボイラーが空気を消費して余った空気はドアガラリから逃げる方法と解釈してください。
尚、換気扇はフィルター付を選んでください。フィルター付でなければボイラー室に埃がたまります。

Q18.脱衣室がベトベトになって困っています。換気扇を回しても解消しません。どうしたらよろしいか?

浴室と脱衣室の換気は浴室側に排気扇を設置し、脱衣室には設けないのが原則です。脱衣室で排気をすると湿度100%に近い浴室の空気を引っ張ってしまうからです。浴室のみとするか、脱衣室にも臭気除去のためにどうしても設けたい場合は親子扇を採用するなど同時に排気する方式とすべきです。その場合でも浴室が脱衣室より陰圧にすることを念頭においてください。

Q19.空調換気扇(ロスナイ)は本当に省エネになりますか、また注意点を教えてください。

70%程度の熱交換をするのは間違いありません。外気の冷暖房負荷は大きな負荷です。一般的に事務所ビルでは室の冷暖房負荷の1/3程度を占めています。
例えば、ある部屋を想定します。10人が執務していて禁煙室の場合でも10人×25m3/H(1人当り20~30m3/Hの平均値採用)で250m3/Hの外気が入れ替わることになります。真夏の冷房負荷としては全熱で2,000kcal程度となります。ロスナイを採用すると70%が熱交換するとすれば30%の外気、つまり250m3/H×0.3=75m3/Hで計算すると全熱で600kcal程度に負荷が低減できます。1,400kcal/Hの省エネになった訳です。
注意点は年に2~3回程度はフィルターの掃除をする必要があるので面倒と思う人にはすすめられません。また同時吸排方式のため外壁からの取入れ口に配慮してください。お隣のレンジフードの排気口に近かったりするとサンマの臭いやカレーの臭いが入ってくるからです。また、ダクトタイプの場合はダクトには必ず保温をするようにしてください。

Q20.空調換気扇(ロスナイ)を設置しているのに冷房の効果が弱いです。
負荷計算では間違いないというのですが?またロスナイから暖かい空気が出ています。

平屋建の店舗の場合、天井内は断熱をしても真夏では天井内は50~60℃位まで上昇している事例が多いです。また貴店舗の場合、面積も大きく空調換気扇の台数も複数台あると推測します。給排気ダクトも相当長いと考えます。ダクトは50~60℃の天井内を通っていますので、ダクト(特に給気側)には保温が必要です。暖かい空気が出るということは、おそらく保温がされてない状態と考えますので調べてみてください。尚、このことは設計図の仕様がどう記載されているか業者の見積りがどうなっているかにもよりますので一概に手抜きとか、やり直せとか安易に判断はしないでください。

Q21.換気扇を点けているのに、どうも引きが悪いと感じます。換気扇が小さいだけの理由でしょうか?

よくある質問です。換気扇が大きい小さいは室の大きさや用途により一概に言えませんが、ここで換気の大原則を述べてみます。100の空気を排気するとすれば100の空気が入ってこなければ絶対に無理なのです。入ってこなければただ換気扇は機械的に回っているだけでカタログに書かれている能力(風量)は望めません。外気からの給気ルートがあるかどうかを確認してみることが重要です。

Q22.換気扇のベントキャップが外壁にベタベタ付くのが嫌で、まとめてガラリ方式としました。
美観上は満足していますが音が大きいのが難点です。
どうして音が大きいのでしょうか?解消法はありますか?

外壁のガラリは美観上有効です。最近ではサッシの上部をスリットに加工してスッキリ仕上げる方法も採用されています。外気ガラリは雨の浸入防止のため開口率は30%に抑えてあります。大事なのはこのガラリを通る風速です。風速が早い程、風切音が大きくなってきます。設計基準では2.5m/sec以下とすることが目安になっていますが、私は安全を見て2.0m/secで選定し、ガラリのチャンバーボックスには消音材を内貼りするように設計図に明記しております。これですと音が大きいとの苦情はありません。それでは現状の音の解消法?今更ガラリを大きくすることは不可能ですので名案はありませんが、複数台の換気扇をボックスに接続していると思いますので、そのうち大きな風量の系統のみ、別ルートで排気できないか検討してみることです。とにかくガラリの面風速が2.5m/sec程度にはなるよう考えてみてください。

Q23.厨房の空調換気についての質問(代表的な質問をまとめました。)

1.冬季給気口より冷たい空気が入ってきて寒くてたまらない。ガムテープで塞ぐと排気効率が悪い。
2.スポットエアコン、厨房用パッケージエアコンどちらがよい?
3.厨房換気の留意点は?
4.理想的な空調・換気方式は?
厨房の換気量は燃焼器具に対しての必要空気量による計算式とフードの面風速(0.3m/sec以上)により求めます。概ね後者のフードの面風速による値が大きくなります。小規模のレストランでもフードが2~3ヶ所は付いていますので5,000~6,000m3/Hの換気扇は必要となっている例が多いようです。

ここで理想的な換気方式を述べますと、まず5,000m3/H排気するのであればフィルターでろ過した外気を室温に調整した後に給気としてフード近くに供給することです。調整する空調機は外調機と呼ばれております。イニシャルコストが高価なのがネックになりますが、高級ホテルの厨房はこのような方式になっております。そこまでの費用がかけられない場合は給気位置をフードの近くに設けるなどの配慮で随分と違います。次に排気は同一建物でも上階への臭気、近隣への配慮として屋上までダクトを布設して屋上で開放する方法を考えましょう。

次にスポットクーラーは作業員のための局所冷房ですが全体は冷やせません。パッケージエアコンで全体は冷やせても、換気扇が運転している時は効かないという一長一短があります。理想は外調機プラスパッケージエアコンですが予算が許さずどちらかを選ぶとすれば用途によります。

盛り付けに時間がかかる施設(保育所、病院、介護施設)は全体を冷やすパッケージ方式が良いと思います。
調理中は扇風機などで辛抱するとして、火気を止めた時に全体が冷やせる方式が細菌の繁殖防止に良好です。
室温が32℃以上になると急激に繁殖するようです。これらの施設以外はスポット方式になると思います。

Q24.太陽光発電についての質問(代表的な質問をまとめました。)

1.方位角、傾斜角によって発電量の違いはどの程度か教えてください。
2.投資に見合うだけのメリットはありますか?

真南で傾斜角30°を100%として基準をおきます。南東・南西に45°の方位角の時は約95%、真東・真西は約83%となります。次に屋根に水平に設置した場合は90%です。この場合、当然方位角は問いません。

次に発電量の説明をします。10KWのパネルを設置すると年間の概略積算電力量は10,000KWHです。1KWHを25円とすると250,000円の電力料金分の発電をしたことになります。LCC(ライフサイクルコスト)LCCO2(二酸化炭素排水量)を考えた場合、どちらに重点をおくかで変わってくると思います。

Q25.自然エネルギーの利用として風力発電が一番クリーンで安全と思うのですがどうでしょうか?

1.風速によって発電量の違いはどの程度か教えてください。
2.投資に見合うだけのメリットはありますか?

風力発電には3乗則という原則があります。つまり風速を5mで設計すると5×5×5=125が定格になります。風速が3mになると3×3×3=27つまり1/5になります。逆に6mの時は6×6×6=216と定格オーバーとなり危険ですから止めてしまうことになります。平均的に5mの風が吹くところがあればよいのですが、なかなか場所探しが大変なようですね。ここでは3乗則の法則を頭に入れていただければお役に立ったのではと思います。